400本のピンク映画を撮る女性・浜野佐知の舞台挨拶「私はピンク映画を撮り続ける」

日本のピンク映画界で最も多くの作品を撮り続けている女性監督・浜野佐知。ジャズシンガー真梨邑ケイ主演の最新作「女詐欺師と美人シンガーお熱いのはどっち?」の舞台挨拶にお邪魔してきました。
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「ピンク映画」とは?

日本のポルノ映画のうち、大手以外の映画製作会社によって製作・配給された作品です。

全盛期のような盛り上がりは見受けられないものの、今なお公開されているピンク映画。そんなピンク映画界の一線で活躍しつづける女性がいます。

浜野佐知。

彼女は、女性でありながら1971年にピンク映画監督としてデビューし、400本以上の作品を今なお撮り続けています。この作品数は他のピンク映画監督の誰よりも多い数です。

また、2015年7月にWOWOW「ノンフィクションW」にて浜野監督の撮影現場の様子や、安藤桃子監督との「なぜ映画を撮るのか?」対談を撮影したドキュメンタリー番組も放送され話題となりました。

「女詐欺師と美人シンガーお熱いのはどっち?」舞台挨拶を観にピンク映画館に潜入!

そんな浜野監督の最新作、ジャズシンガー真梨邑ケイさん主演「女詐欺師と美人シンガーお熱いのはどっち?」が公開されたので舞台挨拶にお邪魔しました。

祝日お昼の時間にも関わらず、会場であるシネロマン池袋には50代以上の男性客をメインに多くの方が集まっていました。浜野監督と真梨邑ケイさんの舞台挨拶があるということで、この日はいつもの客層とは異なっていたようです。

映画館の入り口は地下にあります。階段で地下へ。

二人でくれば夫婦・カップル割引で二人で2000円になるのでお得です。

チケットは自販機で購入しましょう。

館内にはずらっと上映中の作品ポスターが。

*注意:とくに理由がない限りはピンク映画館に女性1人で来るのはやめたほうがいいです。女性1人でくると性行為をしたいから来ていると勘違いをする男性も多く痴漢行為も発生しているとのことですので気をつけましょうね。行くなら友人や恋人と一緒にいくのが安心ですよ。

一番色気があるのは歌手。ジャズシンガー真梨邑ケイそのものを撮りたかった。

ピ ンク映画初出演となるジャズシンガー真梨邑ケイさん主演の本作。ストーリーは、詐欺師として日陰を歩いてきた「ゆかり」がとある出来事を機に自殺を図ろう とするところから始まります。ところが、なぜか同じ姿かたちで違う世界で生きている人気シンガー「空中ジュリア」になってしまい、戸惑いながらもパラレル ワールドで「ジュリア」としての時間を過ごしていくのだが・・・というもの。

約1時間ほどの作品でしたが、ピンク映画をきちんと観るのは初めてだった筆者でも、見やすいピンク映画でした。女性監督ということもあり”行為”だけを撮影するのでなく登場人物の表情や、その背景となるストーリーにもこだわりを感じました。

今回の舞台挨拶には、ツアー(「暴走女子と行くピンクツアー」)がくまれていた事もあり、会場には女性客の方も多く、上映後の会場は暖かい拍手に包まれま した。そして、舞台挨拶では壇上に現れた真梨邑ケイさんを観て、その美しさに見惚れてしまう方々が続出。男性ファンのみならず、その美しい肌に女性も虜に なっていました。

真梨邑ケイ「煙が目にしみる」美しい歌声は劇中でも披露されていました。

舞台挨拶に登場した浜野監督は「真梨邑ケイ、彼女そのものを撮りたかった。」「一番色気があるのは歌手ですよね。ライブステージの限られた時間の中で演じ切り、人を魅了する色気があるんです」と舞台上でも熱いラブコールを真梨邑さんに贈っていました。

本作がピンク映画初出演となる真梨邑さんを時間をかけて口説いたとのことで、作品が完成した際には喜びもひとしおだった様子。

監督の熱いメッセージを受け、真梨邑さんは「浜野監督とだからこの作品が作れたと思います。撮影時の雰囲気もすごくよく、世代が近いこともありやりやすかった。この作品にでれてよかった」と出演した感想を語りました。

また、自身が出演した作品を大型スクリーンで視聴した感想をきかれ「こんな大きなスクリーンで作品を見たのは初めてです・・・しかも、みなさん静かに鑑賞されてて・・」と照れつつ、なにより大勢の人達が昼から一緒に静かにピンク映画を観る文化に驚いてしまったとのこと。

そして、最後に浜野監督は「(「おくりびと」滝田洋二郎監督や、「Shall we ダンス?」周防正行監督など)一般映画を撮ってしまうとピンク映画界に戻らない監督がほとんどだが、私はこれからもピンク映画を撮っていきたい」とピンク 映画に賭ける想いを語り舞台挨拶は終了しました。

本作はすでに公開終了していますが、「新しい作品を撮り続ける」と語った浜野監督作品は遠くない未来に公開されるのでは!?みなさん、次回作に期待しましょう。

一人でみるのが不安な方は「暴徒女子 @bosojoshi」
さんが不定期にピンク映画の鑑賞ツアーを実施しているので参加してみては?